タイ語ネット

January 15, 2005

スマトラ沖地震、週刊新潮の書き方

スマトラ沖地震情報サイトスマトラ沖地震情報サイト2で紹介した死傷・不明者を検索するサイトは、いずれもタイ政府又は各国団体などによって提供された。悪戯に利用するのではなく、家族・恋人・友人・知人を探すのに少しでも役立てばとの思いでそれらは提供されたはずで、タイ語ネットでもそのつもりでリンクを紹介した。その一方で、日本政府は一切情報を公開してこなかった。

先週発売の週刊新潮は「死傷・不明者サイトの開設を阻む人権の壁」という記事の中でタイ政府当局が迅速に開設した死傷・行方不明者を探すウェブサイトについて触れている。

当然、日本の政府も同じようなウェブサイトを作って、人探しに役立てているのかと思ったら、
「そんなものは作っておりません」
と木で鼻をくくったような返事。

と、個人のプライバシーの問題から公表しないとする政府を批判。また一般に情報が公表されない場合の弊害として、「家族が安否を知ることができても知人や恋人といった立場の人たちは難しい」と指摘。政府は率先して情報を公表していくべきだとしている。
確かに私はこのシステムのおかげで、連絡の取れない友人・知人の情報を素早くチェックすることができた。安否が不明で何もできない時に、すこしでも情報を提供してくれるこのシステムに感謝したのだった。しかし、その時感じたのは、こんなに簡単に詳細な情報にアクセスできてしまう漠然とした恐ろしさであった。クリック一つで日本人だけを抽出することも、居場所を特定することも、日本人死亡者のリスト作成も簡単にできてしまったのだ。それでも、どちらかと言えば週刊新潮の主張に賛成であった。

しかし、今週の週刊新潮である。
「続・津波に呑まれた人生ドラマ:社内を絶句させた出版社カップルの奇妙な関係」は書く。

「なんであの2人が?」と、社内を驚かせたのは、日本加除出版(東京都豊島区)という出版社に勤める同僚男女の遭難である。44歳と38歳の男女が、タイのカオラックの同じホテルで、消息を絶ったのだ。新聞を読んだ誰もが真っ先に「不倫関係」を思い浮かべたが・・・・・。

匿名ではあるにせよ、出版社名を公表したうえで、「離婚」「密会」など一般人である二人の過去をアレコレ掘り下げる。こういった情報は日本加除出版から出てきたのか、それとも先述の死傷・行方不明者を探すウェブサイトが発端になったのか。仮にウェブサイトを介して知ったとしたら、今回の件は、情報を悪戯に漁る人間に対して現在のシステムが無防備である事を露呈したことになる。そうでなかったとしても、現在のシステムは悪用しようとする人間にとっては格好のツールに成りかねない。そして週刊新潮のような情報は、一般に公開されるべきものではないのではないか。

未だ行方不明の二人は、この記事に何を思うのか。

タイ政府の対応の速さは素晴らしかったが、システム設計に問題があったということだろうか。例えば、姓か名が一致しないと検索できない仕組みや、検索できる人数を10人までに制限するなど、プライバシー保護を実現するシステムが出来なかったのだろうか。そして、それこそが日本政府の仕事だったのではないかという気になる。

情報を悪戯に漁る人と、本当に情報が必要な人。
未だに家族・友人・恋人・知人と連絡が取れていない本当に情報が必要な方々が、一刻も早く情報を得られるように願っています。


投稿者 hira : January 15, 2005 03:24 AM | トラックバック
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