December 03, 2004
時給***円のタイ語通訳体験記
約二週間前のこと、一通のメールを開くと「今度タイから研修生がくるので、通訳に来てくれないか?」という嬉しい打診であった。極度の驚きと高揚を隠してD社に確認してみると、日程は5日間、内容は日常会話程度が主で、専門用語の通訳は期待していないから気楽に来て欲しい。とのことであった。
というわけで今週五日間は、最低限出席しなければならない授業以外の時間は、「タイ語通訳」という何だか夢のような肩書きのアルバイトにつぎ込む事にした。「デキル」ところを見せねばと、D社のウェブサイトから使いそうな単語をピックアップして、大学の図書館に入っている分厚い日タイ辞書でシコシコとネタを仕込んだ。大学の図書館もたまには役に立つのダ。
日本で通訳をするのは初めてだったが、実は同じような事をタイでやった事があったので、とりあえずは使い物になるだろうという自負はあった。どうなるものかと緊張していた初日から、みんなに良くしてもらって、本当に楽しく仕事をすることがきた。難しい言葉も、簡単な言葉に置き換えることで意思伝達としては問題無かったと思う。幸い、タイ人の一人が英語を理解する人だったので、薬品名とか工具や特殊な動作の名前は英語で伝えて、彼に説明してもらった。後から聞いてみると案の定、チュラ大入学でマヒドン大学卒業の超エリート(東大入学で京大卒業みたいな)化学者であった。
タイ人には「簡単なタイ語を使ってください。」と言い、日本人には「難しい用語は具体的に説明してください。」と頼み、なんとか基本的には問題なく終了したと思う。両者の言いたい事は90%以上は伝わっていたと思う。ただ、問題があったとすれば、彼らが話す言葉が長くなり過ぎた時に、訳を全て覚えられないということだった。長いタイ語をまとめて通訳したら、「もっと長く言ってたよ。」と言われること数回。私としては、重要な情報は残して、あまり重要でない情報を捨てているのだが、タイ人が延々と喋っていたのにそれに対する訳が短いと印象が悪いことは確かだ。集中力と記憶力を伸ばしたい。
こんなに楽しくできたアルバイトの経験は数える程しか無い。朝六時に起きるという苦行も、朝の冷気さえも心地よい、毎日なんだかウキウキしていた私であった(仕事に恋をするというのはこういう事なのかもしれない)。というのもこの会社によるところが大きい。皆さん給料が少ないとボヤキながらも、笑顔で仕事をしている。私も二日目以降は、朝の掃除・ラジオ体操・朝礼にも進んで出席したくなる雰囲気が確かにあった。中小企業とはこういうものなのか、それともこの会社だけなのか。いずれにしても良い経験をさせて頂いたことに感謝。唯一嘆かわしきは給料か......
今回の経験が直ぐにとは言わずも、将来の就業プランを立てるために大きく役立つだろうことは確かだ。タイ語通訳として食べていくのなら、大きなリスクが伴うということをふと考えた。誤解を恐れずに言えば、通訳とは人が言ったことをもう一人にコピーするのが仕事なのだから、この仕事でタイ語の語学力以外の能力を伸ばすのは大変だ。コピーは何も生産しない。そのうち機械でも可能になるかもしれない。私が日本に戻ってきたのは、日本式の仕事術を覚えるためだ。つまりは、日本で通用する社会人になるためとも言える。能力的にもタイ語通訳で食べていく自信はまだ無いし、まずは社会人としての能力を身に付けるのが先なのだろう。そうしたら、機械ではできない付加価値を会得できるかもしれない。
それでもタイに対する魅力は尽きない。それは自分が一番感じている。その魅力はタイ語なのか、或いはタイ人なのか、或いはタイなのか、全部丸ごとなのか。将来それにどうやって関わっていきたいのか。就職活動を控えた今、このような問題を喚起してくれた今回の経験は本当にラッキーであった。
メールを送りたかったのですが、アドレスがどこに書いてあるのかわかりませんでしたのでここに書き込みます。
はじめまして、私は「バンコクの写真」というHPを作っています山本と申します。
http://www.ajisai.sakura.ne.jp/~tabi/index.htm
当HPには「日記」のリンク欄があります。
そちら様のHPをリンクしたいと思います。
http://www.ajisai.sakura.ne.jp/~tabi/rink/05nikki.htm
よろしくお願いします。
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語学だけでそれを職業にするのは大変なようです。
私の友人に英語の翻訳や通訳をしている人がいますが、日本語の本を読むほうが多いといっています。
ある程度のお金を取れるものになると、内容の理解が必要になる。
しかも「力仕事」 大量の労力と時間が要る。
書かれているように、言葉プラス何かが必要になる。
タイ語については事情はまったく知りません。
tabiさん、ありがとうございます。
今回、率直に思ったのは、
楽しい仕事は一生懸命になれるということでした。
最近(のんびりですが)就職活動も始まりつつあるので、
「これから10年間でやりたいこと、自分はどうなりたいか」
といったことについて徒然と考えているhiraでした。

